10527390_392337244259703_7362740085085481508_n



私がAFF-1横浜店にてカスタムモディファイをしてもらっている、
1993年式W124036 500Eの完成が段々と近づいてきました。
ということで「写真を適当に送ってください」と加古氏にお願いしたら、
本当に部分部分での局部パーツの写真しか送って来ずに、
全体像が見たい私の欲求は余計に高まるばかりです。

さて、今日からは送られてきた写真のパーツについて
一つずつ書きたいことをじっくりと書いてみたいと思います。

すべてダラダラと長文ですので、
お好きな方にだけ、お読みいただければ幸いです。
第1回目の今日は座椅子としてのRECAROシートです。
ドイツではシートというよりもある意味医療器具としての
位置づけがキチンとなされているこの自動車専用シートなのですが、
私が初めてこのブランドと出会ったのは約25年くらいほど前のことでした。

知り合いのカーショップに日本仕様の正規LS-Jのような、
サイドサポートのしっかりとしたファブリック生地のRECAROが
中古で販売されていました。当時の価格で約18万円だったと記憶しています。
その頃の私はBMWの5シリーズ(E34)に乗っていました。
カーショップの親父さん曰く「RECAROシートはとても強くて、
事故などで横転したときにはロールバーやタワーバーのような補強的な役割をして、
乗員の生命維持のための空間を確保をするのだ」という言葉が
妙に私の琴線に触れて、思わずカードで衝動的に購入してしまいました。



1460043_392544394238988_1102543592673351122_n

 

当時の私はRECAROシートに秘められた本来の価値、
その大切な意味すらも全く知りませんでしたので、
アフターマーケットの社外シートくらいの感覚でした。
装着後の印象としては「多少運転時の目線が高くなった」とか
「想像以上に窮屈で微妙に乗りにくい」というネガティブな印象でした。
それで価値も知らない私は思い込みによる駄目なイメージが強くなり、
さっさとこのRECAROシートを取り外して元の純正シートに戻し、
外したドイツのスポーツシート肝心のRECAROはアパートの
リビング用のポテカウチTV観賞用シートとして再利用していたくらいです。
価値を理解していないというのは本当に情けないアクションに走ります。

さて究極なる自動車専用座席として君臨するRECAROシート、
特にここでは1990年代に製造されたドイツ工業製品規格の物を、
前提にお話しますが、
このシートには実に計り知れない程の安全性と、
姿勢維持を高次元にて守るべき隠されたルールが潜んでいたのです。
まずデザイン重視と思われていた背もたれの上に装着されるネットヘッドレスト
(ネットタイプがわかりやすい)の角度の推奨位置があります。
それは社外から見たときの角度を要求していたのです。
また、座面の前方の角度は座ってアクセルペダルやフットレストに
足を置いたときに膝に自然なスタイルで拳一つが入ること。

そして、ハンドルはきちんと10時10分の位置に
手が置かれる位置にシートを確実にスライドすることなどです。
そして、背中からお尻にかけての重みが面厚均等分散支持、
つまりシート全体に均等に偏る事無く圧力が加わる事無く
配分されるということにもあります。



10357591_393631197463641_5130852124320523301_n


 

こういう110度に近い直立スタイルでクルマを運転することで、
局部的な圧力でもありました腰への部分ストレス負担は中和されますし、
腰にハンディーをお持ちの腰痛の方、
自動車の運転による更なる悪化を改善し、
腰痛の負担を軽くする効果がありました。
逆にRECAROシートでわざわざ楽な姿勢と思われる、
だらしないリラックスオヤジスタイルのような
斜め座りの片手ハンドルなんてしていると逆に楽では無く、
窮屈この上なく長時間の運転に伴い腰は余計に痛くなるのではないかと思います。

あたり前の事ですが、正しいこれらの運転姿勢は、
安全運転のための第一条件であり、
危険回避の面からもすごく大切なことなんです。
ドイツの自動車規格は非常に厳しくRECAROシートはそういう
正しい運転姿勢になるような根本的な姿勢の矯正を、
手助けをしてくれる自動車シートなんです。

現在でもそうですが、当時のメルセデスのメーカー純正シートにも
OEMでRECAROは間接的に部品からパーツを含めて数多く採用されていました。
しかしそれらは基本骨格の強さは当然純正基準が御座いますから、
キチンと確保されていますが、最低限度としての純正規格シートとしての、
標準スタンダード基準を最低限度の範囲で満たすということが前提でした。
スポーツ指向に傾いたサイドサポートなどが、
私のいうところのアフターマーケットで入手されるRECAROとは大きく違うようです。
RECARO C-ClassicやCSEなどの1990年代製造のドイツ規格シートは、
現在では入手が非常に少なく困難であります。
しかし、1990年代製造のドイツレカロシート、
それを持っていれば今回の私のように後に上質なるジャーマンレザーで張替えたり、
往年のAMGスタイルのような6プラットスタイルにすることもできます。
レザーの色も選べますし、レザーとアルカンターラとの組み合わせや
ステッチ(縫い目)の糸の色も趣味合わせて自由自在に選ぶこともできます。

また、C-ClassicやCSE世代のRECAROシートの大きさや雰囲気は、
デザインも大きさも124時代のメルセデスに最適なバランスとなっています
基本となるメルセデスW124を手に入れることさえ
決断すれば次にはこういうアフターマーケットの楽しみも待っています。

廣川 俊憲


1959969_392544247572336_6125405311007414702_n